合同会社の設立

合同会社の設立

「合同会社」という言葉を聞いたことがありますか。近頃では少しずつ耳にする機会も増えたのではないでしょうか。会社と言えば「株式会社」や「有限会社」をイメージされる方が多いのではないかと思います。平成18年の商法改正(会社法の施行)によって、新しく「有限会社」を作ることはできなくなり、その代わりにこの「合同会社」という会社が生まれました。

合同会社は社員の人的信頼関係を基礎とし、設立手続きのコストが安く、株主総会のを開催する必要がなく、出資比率に比例しない利益配分が可能であり、決算公告義務がなく、役員に任期の制限がなく、機動性の高い経営ができ、しかも社員の全員が有限責任(出資額を限度とした責任)しか負担しない会社です。

今回はこの「合同会社」の設立手続きについてご紹介させていただきます。

会社の概要の決定

はじめに「自分の会社をどういった会社にするのか」を決めていきます。

  • 商号会社の名前(社名)を決めます。カタカナやローマ字を用いることも可能です。
    合同会社の場合には、名前の前もしくは後に「合同会社」という文字を入れなければなりません。( 例:合同会社〇〇/〇〇合同会社)
  • 本店会社の本店所在地を決定します。社長の住所地又は営業所の所在地を本店所在地とするケースが多いです。
  • 目的会社が行う事業を決定します。一つの会社が複数の異なる事業を行うことも可能です。(例:1.飲食店の経営 2.不動産の売買、賃貸、保守及び管理)
  • 資本金の額特に金額に制限はありません。1万円でもかまいません。ただし、会社を運営していくための元手となるお金なので、少なくとも数十万円は計上した方が良いと思います。なお「現物出資」といって「金銭以外の財産(例:不動産)」を出資することも可能です。
  • 社員の氏名・住所並びに出資の目的及びその価額社員の氏名及び住所が定款の記載事項となります。ただし、登記事項ではありません。出資の目的(例:現金)及びその価額(例:100万円)を定款に記載します。
  • 利益分配の割合出資比率に比例しない割合を定めることもできます。
  • 役員社員の中から業務執行権を有する社員(業務執行社員)を定めることができます。業務執行社員が複数存在する場合には「代表社員」を定めます。
  • 役員の任期株式会社のような制限はありません。定款をもって任期を設けることも定めないことも可能です。
  • 会計年度(決算期)通常の会社の会計年度は1年間です。例えば、4月1日から翌年3月31日までを一会計年度とした場合には、決算期は3月(3月決算)となります。
  • 公告をする方法法律で定められた一定の事由が発生した場合、会社には公告をする義務が発生します。公告方法としては一般的に「官報」と定めることが多いですが、現在では「電子公告」といって「自社のホームページ」を使って公告する方法を採用する会社も見受けられます「。時事に関する日刊新聞」を公告方法とすることも可能です。

印鑑(届出印)の作成

いわゆる「会社の実印(届出印)」を作成します。インターネット等で「会社実印」などというキーワードで検索すれば、会社の印鑑の3点(2点)セットを作製・販売している業者を見つけることができます。素材や書体はお客様の好みで選んで下さい。

社員(発起人)の印鑑証明書の取得

社員(発起人)の印鑑証明書が必要となります。市町村役場で各自取得して下さい。

電子定款の作成

上記1で決定した会社の概要に従い、定款を作成します「。定款」とは会社の根本規則です。定款を「紙」で作成した場合には、4万円の収入印紙をはらなければなりませんが(印紙税がかかる)、司法書士が「電子定款」というデータを作成し、電子署名を施すことにより、4万円の実費を節約することができるため、現在は「電子定款」が主流となっています。

出資の払込み

発起人代表の預金口座に出資金を振込みます。

登記関係書類への署名・捺印

司法書士が作成した登記関連書類に、署名・押印していただきます。

設立登記のオンライン申請

司法書士がお客様の代理人として法務局に設立登記を申請(印鑑届を提出)します。
※株式会社の場合とは異なり、公証人による定款の認証手続きは不要です。

よくある質問

会社設立のための手続き費用はどのくらいかかりますか?
司法書士法人リーガルホームでは、手続報酬として原則60,000円(税別)をいただいております。その他の実費を含めると全部で13万円程度の費用がかかります。
合同会社の設立手続きを自分で行った場合と、司法書士法人リーガルホームに依頼した場合とでは、コストにどのくらいの開きがありますか?
設立手続きのコストを詳しく述べると以下のように分かれます。
【ご自分で設立登記をされる場合】
1.定款に貼る収入印紙代 40,000円
2.設立登記の登録免許税 60,000円
3.履歴事項全部証明書 3通につき  1,800円
4.会社の印鑑証明書 3通につき  1,350円
5.レターパック370(登記申請用) 370円

合計 103,520円・・・【1】


【司法書士法人リーガルホームが設立登記を行った場合】
1.定款に貼る収入印紙代 0円 ※1
2.設立登記の登録免許税 60,000円
3.履歴事項全部証明書 3通につき  1,440円(※2)
4.会社の印鑑証明書 3通につき  1,350円
5.レターパック370(登記申請用) 370円
6.報酬 60,000円
7.消費税 6,000円

合計 129,160円・・・【2】

  • 1 司法書士法人リーガルホームでは定款を電子定款で作成するため、定款に貼る収入印紙が必要ありません。
  • 2 司法書士法人リーガルホームでは履歴事項全部証明書をオンラインで取得するため、1通につき費用が120円安くなります。
つまり、「【2】-【1】=25,640円」が差額となります。ご自分で本を買って勉強する手間賃・書籍代、法務局に行って質問する手間賃、書類を作成したり収集して法務局に登記を申請する手間賃が「25,640円」であると考えれば「25,640円」は、ほんのわずかな金額だと思います。
会社設立のための期間はどのくらいかかりますか?
相談から設立登記の申請まで、急げば1週間程で可能ですが、おおむね2~3週間程かけてお客様と打合せをしながら設立手続きを行うことが多いです。設立登記を申請してから登記が完了するまで1・2週間程度要するとして、約1か月と思って下さい。